持ち家か、賃貸か? (雑感)
持ち家か、賃貸か? (雑感)
2007.12.16
私は、自宅の任意売却と、その後の自己破産と、2段階の債務整理をしたことになります。
自宅の任意売却に関して、私がなぜ、その所有していたマンションを購入したのか、なぜ手放すことになったのか、そして、今後、「持ち家か、賃貸か?」に関してどう考えるのか、記してみたいと思います。
【なぜマンションを購入したのか】
経済的に余裕ができたからではありませんでした。頭金もありませんでした。家内から、上の子供の小学校のことで、教育的によい環境の地区に移りたいとの申し出がありました。
上の子供が小学校低学年のころです。
引き続いて、近々小学生になる下の子供のことも言います。
さらに、部屋が足りないとのこと。確かに、子供の専用部屋はなかったです。
いちいち納得はしました。
当時、社宅扱いの賃貸でしたが、この社宅制度も矛盾があって、家族の成長に応じた転居は認められなかったのです。会社事情の転勤でなければ、住み替えはできませんでした。
厚生課に相談しました。Noでした。
厚生課に中古マンションを買うと言ったら、満面の笑みが電話口からきこえそうな応答。
今思えば、何なのだ、会社のこの制度は。おかしい。
頭金はない、しかし、当時、バブル崩壊後3年、住宅ローン金利史上最低を記録したころ、そして、バブル時最高値から、マンション価格が2、3割程度下落したころ、広告は、「家賃並みで払える」を連呼していました。「ちょっと前まで3200万したんですよー。今は2400万です。」とも。
頭金がなくてもなんとかしてくれるらしい。なんとかなりました。
【なぜ手放すことになったのか】
ローンで、月々7万円近く、ボーナスで50万近く、持っていかれました。マンションの駐車場代と管理費と修繕積立金が、月々15000円強、固定資産税は年間10万強。
「家賃並み」に関しては、社宅扱いの賃貸当時、月々の家賃の支払いは、はっきり覚えてはいませんが、半額援助くらいかと、たぶん3、4万だったかと。ボーナスその他の経費はありません。それでも不動産は財産になるからと、持ち家を持ってもいいと思えたのでした。
バブル期の、「土地という有限財産は経済の発展とともに価値が上がっていく」という考えは、根本的に正しいことだと思えていました。バブル崩壊も一時的なものだと見ていたわけです。
購入後、世代の波で、子供の養育費もかかります。
家内の節約にも限度がありました。
毎月の赤字が出ていました。最初のころはボーナスでの補填、のちに、サラリーマン生活の最後のころは、キャッシングが入り込んでいました。
サラリーマンは、定額収入しか見込めません。見込んでいた昇給も思うようでなく、多少の残業代で調整できる範囲ではなく、赤字でした。
サラリーマンのままでは赤字の累積、の思いを抱くようになって、数年過ごしました。会社に向かう途中、なんでこうなのだ、このままでは座して死を待つしかないじゃないか、という思いを、重く抱きつつ通勤したものです。その中で、株式投資/トレードに魅了されました。
会社の早期退社の制度を利用し、該当の初年度に申し出をして、会社を辞めました。
しかし、株式投資/トレードの志、やぶれ、その後、他のいくつかのビジネスにもやぶれました。退職金は使い果たしました。キャッシングは増えていきました。
その途上、ある本に出会い、自宅の任意売却をしました。家族の状況もからんでの選択でした。
任意売却額900万、清算後のローン残、約1200万。
その後、再就職しても、経済状況は、めだって好転せず、自己破産に至りました。
世の中の成り立ちや制度に、疑問を、多くの点で感じます。
【今後、「持ち家か、賃貸か?」に関してどう考えるのか】
当面は、あるいは一生、賃貸しかありえませんが、マンイチ、そういう選択肢が視野に入ってきたとしても、以下のことは考慮に入れたいと思います。
* 土地の財産価値の不安定さは、バブルとバブル後でわかったので、単に財産価値として、積立金みたいな感覚でローンを組むのは危険。昔は、不動産ローンは、担保価値として不動産が絶対的に近いものと思われていたため、消費財ローンとは別口で見られていました。しかし、バブル後、担保価値が下落、そして、担保価値の下落については、貸し手/借り手のどちらが負うのか、これは、日本では、借り手のみが負うようになっていると、私のケースを含め、思いますが、アメリカではそうでないと聞いています。
* 土地は、経年劣化はないが、建物は経年劣化がある。メンテナンス費用もかかる。
* 固定資産税もかかる (2008.2.14追記: 健康保険が国保の場合は、固定資産税額の45%(我が市でのH.19年度の場合)相当額が、国保料にも加算される)
* 火災保険もかかる。
* 税金での期限付き優遇措置があるが、数年のみ。
* 土地所有の換金に関して、マンションは個人の自由にならず、まったく割りに合わないと思う。
* 総合して、「家賃並みで持ち家が持てる」のセールストークでは、上記要件をはずしていないか考えてみることが必要。 クリックしてくれるとうれしいです→
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2007.12.16
私は、自宅の任意売却と、その後の自己破産と、2段階の債務整理をしたことになります。
自宅の任意売却に関して、私がなぜ、その所有していたマンションを購入したのか、なぜ手放すことになったのか、そして、今後、「持ち家か、賃貸か?」に関してどう考えるのか、記してみたいと思います。
【なぜマンションを購入したのか】
経済的に余裕ができたからではありませんでした。頭金もありませんでした。家内から、上の子供の小学校のことで、教育的によい環境の地区に移りたいとの申し出がありました。
上の子供が小学校低学年のころです。
引き続いて、近々小学生になる下の子供のことも言います。
さらに、部屋が足りないとのこと。確かに、子供の専用部屋はなかったです。
いちいち納得はしました。
当時、社宅扱いの賃貸でしたが、この社宅制度も矛盾があって、家族の成長に応じた転居は認められなかったのです。会社事情の転勤でなければ、住み替えはできませんでした。
厚生課に相談しました。Noでした。
厚生課に中古マンションを買うと言ったら、満面の笑みが電話口からきこえそうな応答。
今思えば、何なのだ、会社のこの制度は。おかしい。
頭金はない、しかし、当時、バブル崩壊後3年、住宅ローン金利史上最低を記録したころ、そして、バブル時最高値から、マンション価格が2、3割程度下落したころ、広告は、「家賃並みで払える」を連呼していました。「ちょっと前まで3200万したんですよー。今は2400万です。」とも。
頭金がなくてもなんとかしてくれるらしい。なんとかなりました。
【なぜ手放すことになったのか】
ローンで、月々7万円近く、ボーナスで50万近く、持っていかれました。マンションの駐車場代と管理費と修繕積立金が、月々15000円強、固定資産税は年間10万強。
「家賃並み」に関しては、社宅扱いの賃貸当時、月々の家賃の支払いは、はっきり覚えてはいませんが、半額援助くらいかと、たぶん3、4万だったかと。ボーナスその他の経費はありません。それでも不動産は財産になるからと、持ち家を持ってもいいと思えたのでした。
バブル期の、「土地という有限財産は経済の発展とともに価値が上がっていく」という考えは、根本的に正しいことだと思えていました。バブル崩壊も一時的なものだと見ていたわけです。
購入後、世代の波で、子供の養育費もかかります。
家内の節約にも限度がありました。
毎月の赤字が出ていました。最初のころはボーナスでの補填、のちに、サラリーマン生活の最後のころは、キャッシングが入り込んでいました。
サラリーマンは、定額収入しか見込めません。見込んでいた昇給も思うようでなく、多少の残業代で調整できる範囲ではなく、赤字でした。
サラリーマンのままでは赤字の累積、の思いを抱くようになって、数年過ごしました。会社に向かう途中、なんでこうなのだ、このままでは座して死を待つしかないじゃないか、という思いを、重く抱きつつ通勤したものです。その中で、株式投資/トレードに魅了されました。
会社の早期退社の制度を利用し、該当の初年度に申し出をして、会社を辞めました。
しかし、株式投資/トレードの志、やぶれ、その後、他のいくつかのビジネスにもやぶれました。退職金は使い果たしました。キャッシングは増えていきました。
その途上、ある本に出会い、自宅の任意売却をしました。家族の状況もからんでの選択でした。
任意売却額900万、清算後のローン残、約1200万。
その後、再就職しても、経済状況は、めだって好転せず、自己破産に至りました。
世の中の成り立ちや制度に、疑問を、多くの点で感じます。
【今後、「持ち家か、賃貸か?」に関してどう考えるのか】
当面は、あるいは一生、賃貸しかありえませんが、マンイチ、そういう選択肢が視野に入ってきたとしても、以下のことは考慮に入れたいと思います。
* 土地の財産価値の不安定さは、バブルとバブル後でわかったので、単に財産価値として、積立金みたいな感覚でローンを組むのは危険。昔は、不動産ローンは、担保価値として不動産が絶対的に近いものと思われていたため、消費財ローンとは別口で見られていました。しかし、バブル後、担保価値が下落、そして、担保価値の下落については、貸し手/借り手のどちらが負うのか、これは、日本では、借り手のみが負うようになっていると、私のケースを含め、思いますが、アメリカではそうでないと聞いています。
* 土地は、経年劣化はないが、建物は経年劣化がある。メンテナンス費用もかかる。
* 固定資産税もかかる (2008.2.14追記: 健康保険が国保の場合は、固定資産税額の45%(我が市でのH.19年度の場合)相当額が、国保料にも加算される)
* 火災保険もかかる。
* 税金での期限付き優遇措置があるが、数年のみ。
* 土地所有の換金に関して、マンションは個人の自由にならず、まったく割りに合わないと思う。
* 総合して、「家賃並みで持ち家が持てる」のセールストークでは、上記要件をはずしていないか考えてみることが必要。 クリックしてくれるとうれしいです→


この記事へのコメント
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東京パパさん
東京パパさん
コメントくださいまして、大変ありがとうございます。
内容を拝見し、東京パパさんにも、ぜひ乗り切っていただきたいと、心から思います。陰ながら、応援いたします。
状況は、各人異なりますが、私の体験談とヒントが、類似の問題を抱えている方の参考になり、行動への心の支えともなればと思っております。私自身も、自己破産という行動への不安が、当時、おおいにありましたから。
その意味で、多少でも役に立ったというコメントをいただけたことは、大変うれしく、励みになります。
どちらかのブログで、「失敗しない人なんていない」と、書いてありました。そこからどうするかですよね。
私も、東京パパさんと同じような年齢です。また、やはり会社員から自営業に転じた身でもあります。こういう状況がいつ来てしまうかは、人によりさまざまでしょう。そうなった時に、対応するしかありません。歳をとると、もちろんそれだけ、その後の人生の選択肢は限られてくるとは思いますが、それは、自然の理。それはそれで受け入れて、人生の選択をしていきませんか。
私の体験談も、他山の石の一つ、私の感じ方や考えも、他山の石の一つでしかなく、自分では気付かない、至らない点もあるかと思います。
東京パパさんからも、ご指導いただける点がありましたら、よろしくお願い申し上げます。
コメントくださいまして、大変ありがとうございます。
内容を拝見し、東京パパさんにも、ぜひ乗り切っていただきたいと、心から思います。陰ながら、応援いたします。
状況は、各人異なりますが、私の体験談とヒントが、類似の問題を抱えている方の参考になり、行動への心の支えともなればと思っております。私自身も、自己破産という行動への不安が、当時、おおいにありましたから。
その意味で、多少でも役に立ったというコメントをいただけたことは、大変うれしく、励みになります。
どちらかのブログで、「失敗しない人なんていない」と、書いてありました。そこからどうするかですよね。
私も、東京パパさんと同じような年齢です。また、やはり会社員から自営業に転じた身でもあります。こういう状況がいつ来てしまうかは、人によりさまざまでしょう。そうなった時に、対応するしかありません。歳をとると、もちろんそれだけ、その後の人生の選択肢は限られてくるとは思いますが、それは、自然の理。それはそれで受け入れて、人生の選択をしていきませんか。
私の体験談も、他山の石の一つ、私の感じ方や考えも、他山の石の一つでしかなく、自分では気付かない、至らない点もあるかと思います。
東京パパさんからも、ご指導いただける点がありましたら、よろしくお願い申し上げます。
- 2007-12-18
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HN/東京パパと申します。
私も、自己破産を考えざるをえない状況にあります。
情報を求めていたところ、貴サイトに巡り合いました。
多岐に渡る実体験をじっくりと読ませて頂きました。
ありがとうございました。
私は、平成7年に脱サラをして東京で自営業。
5~6年前から資金繰りに窮し、現在1500万円ほどの借金。
7割ほどが銀行系、残りが消費者金融とカード類。
売り上げが激減し、今後も見込めませんから「なんとかやりくり自転車操業」も、もう限界です。
法人にしていますが実質的には私一人ですので
倒産/自己破産になりそうです。
実質的には2~3年前から破たんをしているのですがズルズルと先延ばしにしています。
人間、嫌なことは先延ばしにしたり、無理やり忘れたいと思うもので、私も例外ではないようです。
わかっていても、「即、倒産・破産の手続き」にはかなりの抵抗が
ありました。(あります。)Bankruptedさんのおっしゃるように、社会のルールを逸脱することですから。
年齢も55歳、再起動にはいささか・・・。
その後の生活のことを考えると決断に踏み切れないでいる自分がいます。
「いい年していままで何をやってきたんだ」と悩み続けています。
夜中に突然覚醒したり、アルコールに依存したり、物事の優先順位が混乱したり、そんな毎日です。
自ら消滅してしまいたいとも考えたこともありましたが
こんな親父でも家族にとっては「居てくれたほうがいいに決まってる」と、自らにいいきかせています。
貴サイトの体験を読ませて頂き
今後どうするべきなのか「気持ちの整理」ができたように思います。
それと「元気」を頂きました。
専門家に相談するとともに具体的な今後のスケジュールを立ててみようと思っています。
ほんとうにありがとうございました。
貴サイトには、私のような立場の人が多数勇気づけられていると推察します。
更新等大変でしょうが、今後ともご健闘ください。